「両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」」の読書感想

Prime Readingの対象本であった「両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」」を読み終わったので、その読書メモを書いておく(2021年2冊目)。

本書は、成熟企業の重要課題である「既存事業」と「新規事業」の両立をどう実現するかについて書かれた本である。経営者向けの内容となっているが、経営者じゃない人にも参考になる書籍である。
また、私自身は経営者では無いが、現在は成熟企業で新規事業の立ち上げに携わっている事もあり、既存事業と新規事業の両立の難しさは肌で感じている。そのため、本書籍に書かれた事を自身の業務でも生かせればと思う。

以下、要点を纏めておく。
・新規事業の創出(攻めの経営)と既存事業の維持(守りの経営)の両利きの経営が必要
・攻めの経営と守りの経営では必要な組織能力が異なる
・新しい事業機会を探索する組織能力、既存事業を深堀りする組織能力、そして相矛盾する二つの能力を併存させる組織能力の三つが必要
・探索事業と既存事業を分離した組織構造が必要、かつその両立に伴う矛盾を引き受けるリーダーシップが必要
・三つの異なる組織能力の獲得には、組織カルチャーのマネジメントが重要
・組織カルチャーは組織風土といった抽象的な概念ではなく、組織特有の仕事のやり方であり、変えられるもの
・組織能力の基本4要素はKSF(組織として何をやらないとダメか)、人材、公式の組織(組織体制、評価制度等)、組織カルチャーで、この4要素がアライメントされている事が重要
・組織と戦略は車の両輪の関係にあり、戦略と組織の連結点はKSF
・既存事業では階層組織によるマネジメント、探索事業ではネットワーク組織のマネジメントを試していく必要がある
・変革はトップダウンボトムアップがミートするところで起こる